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中高齢寡婦加算35歳→40歳は、1,500万円の年金カット

今年平成19年(2007年)4月から、厚生年金の中高齢寡婦加算対象年齢が35歳から40歳に引き上げられました。小さな改正と思いきや、金額にすると、とてもインパクトのある改正であることがわかります。

中高齢寡婦加算は1年約60万円の年金

中高齢寡婦加算をごくごく簡単に説明しますと、遺族厚生年金を受け取れる妻に遺族基礎年金の対象となる子供がない場合に、遺族厚生年金に加えて年間約60万円の年金(中高齢寡婦加算)が加算されるというものです。

中高齢寡婦加算は40歳から65歳まで

ここが法律で変わったところですが、従来は35歳になっていれば一応中高齢寡婦加算を受け取れる権利は得る事ができていました。(実際の支給は40歳から)

平成18年度の中高齢寡婦加算の金額は、594,200円(年間)ですから、へたをすると老後の老齢基礎年金くらい大きな金額です。それが、今回の法律改正で40歳からと改められました。

損失額は1,500万円!?

仮に38歳で遺族厚生年金を受け取る妻がいたとします。従来ならば、遺族厚生年金に加えて中高齢寡婦加算が受け取れていましたが、今回の法律改正で、受給できなくなってしまいました。

では、改正前はいくらもらえていたのでしょうか。
40歳から65歳まで再婚せずに暮らしていたとしますと、
25年間 × 約60万円 = 1,500万円になります。

35歳から39歳までに遺族厚生年金を受け取り遺族基礎年金を受け取れない、すなわち年齢要件以外に中高齢寡婦加算の対象となるべき妻がどれだけ存在しているのかは不明ですが、該当する人にとってはとても不利な改正だったわけです。

なお、改正前に遺族厚生年金の受給権を取得していた人に対しては、今まで通りに中高齢寡婦加算が支給されます。

中高齢寡婦加算だけでなく経過的寡婦加算も

今までは65歳までの話でしたが、実はこの中高齢寡婦加算は、妻が65歳になり、自分の老齢基礎年金を受け取れるようになると、経過的寡婦加算という別の形になり支給が継続されるのです。

経過的寡婦加算を受給できるのは大正15年4月2日~昭和31年4月1日生まれの人までで、若い人ほどもらえる金額は減少しますが、昭和20年生まれの妻で20万円超(年間)といった具合になります。

…1,500万円どころではないですね。

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