自分自身の消えた年金対策を、急ぐべきか、政府の対応を待って取組むべきか。制度上、時効特例によって慌てる必要はなくなりましたが、支給漏れの解消は記憶頼りの部分が多いだけに、万が一のこと(本人、または配偶者等の死亡)を考えると早めに取組んだほうが良さそうです。
消えた年金対策は、「制度上は」急ぐことはない…けれど
2007(平成19)年7月6日、年金時効特例法が施行されたことにより、年金の記録漏れがあったとしても、または、これからの手続きにおいて年金の記録漏れが見つかったとしても、漏れた分の年金は遡って支給されることとなりました。
今までは年金を受給する時効が5年という縛りがあったために、急がなければ年金をもらいそびれてしまうこともありましたが、年金時効特例法により、急がなくともゆっくりと年金記録を調査して、年金の記録漏れがあってもそのときじっくり取組めば、5年に限らず年金受給権を得たときからの分の年金がもらえることになったのです。
年金記録を見つけるのは記憶が基本
しかし年金記録が消えていた場合、それを見つけ出す最初の一歩は記憶です。漏れがあるのかどうかという基本的なところから、仮に領収証などがあったとしても、それを探し出す作業も記憶から出発します。つまり、年金記録の問題は、記憶との戦い。その解決は早いほどいいのです。
ワケありの職歴(厚生年金)はありませんか?
夫婦間でも、結婚前の職歴をすべて把握しているとは限りません。事情により後ろめたい職歴があるとか、年齢制限がある仕事のために年齢をサバ読んで勤めていたこと、もしくは名前を偽って働いていた
ことなど、本人にしかわからない職歴もあるでしょう。
そして、そんな中にある年金記録が消えてしまっていたならば・・・
厚生年金の場合は、老齢厚生年金だけではなく遺族厚生年金もありますので、特に妻の場合、生存中に夫の年金記録を正しいものにしておかなければ、死後に年金記録を改めるのは、ほぼ不可能となってしまいます。
少なくともお互いの正しい職歴くらいは、今のうちに正確に把握しておきたいところです。
「5000万件」国の調査待ちより、自分で動く!
例の5000万件の未統合の年金記録の名寄せ。総務省の「年金業務・社会保険庁監視等委員会」初会合が参議院選挙の直前となる2007年7月25日に行なわれましたが、社保庁側の回答は「約5000万件の記録の精査は行っていない」というものでした。
※社保庁は「名寄せ用のソフト開発などを進めている。」としていますが・・・
スケジュール的に時間が掛かることはもちろんですが、政府の発表した名寄せの方法ですと、そもそも5000万件の不十分なデータの中で検索するということですので、はじめから抜け穴が存在することは明白です。(姓名共に抜けているデータや生年月日が1日を超えて間違っているデータなど)
つまり、待ちに待ってようやく国から通知が来たとしても、それで十分ではないということです。いずれにしろ、年金記録の解決には、自分から、しかも早目に動くしかなさそうです。