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国民年金事業等の運営改善法

年金時効特例法や、日本年金機構法とともに、「国民年金事業等の運営改善法」、正式には「国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律」が平成19年中に成立。その中身を見ていきます。

国民年金事業等の運営改善法の中身

サービスの向上における法律改正

(国民年金法、厚生年金保険法関係)
1.住所変更等の届出の省略(平成23年4月施行)

  • 住基ネットから被保険者情報を取得し、被保険者等の氏名・住所の変更等の届出を原則廃止

(住民基本台帳法関係)
2.住民基本台帳法ネットワークシステム情報の活用(公布日施行)

  • 住基ネットから本人確認情報の提供を受けることができる事務に、「国民年金法による被保険者にかかる届出に関する事務」等を追加

(労働保険の保険料の徴収等に関する法律関係)
3.社会保険と労働保険との連携の推進(平成21年4月施行)

  • 労働保険の年度更新(年度の概算保険料及び前年度の確定保険料の申告納付)の期限を、社会保険の標準報酬月額の算定に関する届出の期限である7月10日に統一

保険料の収納対策の強化等

(国民年金法関係)
1.保険料を納めやすい環境の整備・手続の簡素化等(平成20年3月31 日までの日で政令で定める日)
(1)クレジットカードによる保険料納付

  • 国民年金保険料の納付方法に、口座振替、コンビニ、インターネット納付等に加え、クレジットカードによる納付を追加。

(2)任意加入被保険者の保険料納付の口座振替を原則化(平成20年4月施行)

  • 国民年金の任意加入被保険者(60歳以上65歳未満の者等)は、口座振替による保険料納付を原則とする。

(3)保険料免除等の手続の簡素化

  • 生活保護受給者や学生等について、国民年金保険料の免除手続を確実に行うため、福祉事務所(生活保護受給者)や医療保険者(被扶養者)等に対し、情報の提供を求めることができることとする。(公布日施行)
  • 大学等が、学生等の委託を受けて、学生納付特例の申請を代行できることとする。(平成20年4月施行)

※これにより事業主負担が軽減されます

2.社会保険制度内での連携による保険料納付の促進

(国民健康保険法、国民年金法関係)
(1)国民健康保険(市町村)との連携〔平成20年4月施行〕

  • 市町村の判断により、国民年金保険料の未納者に対して、国民健康保険被保険者証に通常より短期の有効期間を定めることができることとし、未納者との接触の機会を設けることにより、保険料免除や納付の促進ができるようにする。
  • 短期被保険者証の交付対象者が、市町村の窓口で国民年金保険料を納付できるよう、当該市町村が、納付受託機関となることができることとする。

※あくまで短期被保険者証の人だけが対象。国民年金未納の場合も短期被保険者証となる。

(健康保険法、介護保険法、社会保険労務士法、国民年金法関係)
(2)社会保険制度内の連携

  • 社会保険に密接に関わる事業者等(保険医療機関・保険薬局・指定訪問看護事業者、介護サービス事業者及び社会保険労務士)による社会保険料の自主的な納付を促進する仕組みとして、長期間にわたって自主的な納付がない場合には、当該事業者等の指定等又は更新を認めないこととする。 (平成 21 年 4 月施行)
  • 併せて、国民年金保険料について、関係団体を通じた納付状況の確認等を可能とし、自主的な納付を促進する。(平成 20 年 4 月施行)

※長期間とは・・・1度滞納処分を受けて、さらに3ヶ月滞納している場合など(社保庁担当者の話)

(国民年金法関係)
3.事業主との連携による保険料納付の促進(公布日施行)

  • 事業主に対し、従業員への国民年金に関する手続の周知や保険料の納付の勧奨等に関し、必要な協力を求めることができることとする。

公正・透明・効率的な運営の確保

(国民年金法関係)
1.事務費国庫負担の見直し (平成20年4月施行)

  • 平成10年度より特例措置として保険料財源が充当されている年金事務費について、受益と負担の明確化等の観点から、保険料を充当できることを恒久措置として定める。

(国民年金法、厚生年金保険法関係)
2.福祉施設規定の見直し (平成20年4月施行)

  • 年金福祉施設の設置等の根拠であった、被保険者等の福祉を増進するために「必要な施設をすることができる」旨の規定を廃止するとともに、新たに「年金相談、年金教育・広報、情報提供等の事業を行うことができる」旨の規定を設ける。

※今までは、「必要なら」ということで拡大解釈されてきました。職員のゴルフボール問題に関しては、よりよいサービスをするためには職員が健全でなければいけないから、それも年金加入者のためという非常識なことがまかり通ってきたわけです。その他有名なグリーンピア問題もしかりですが、今回対象範囲が明示されたことにより、そのようなこともなくなる見込みです。

3.その他の事項

(国民年金法、厚生年金保険法関係)
(1)被保険者資格に関する情報の取得(公布日施行)

  • 市町村等の官公署に対し、被保険者の資格確認等に必要な資料の提供を求めることができることとする。

(国民年金法、厚生年金保険法関係)
基礎年金番号の法定化(年金公法人の発足時)

  • 基礎年金番号を年金原簿の記載事項として法定化するとともに、基礎年金番号を適正に活用するための利用制限等の措置を講じる。

その他の法律の一部改正等

  • 国家公務員共済組合法及び地方公務員等共済組合法に関し、事務費負担の見直しを行うほか、特別会計に関する法律案等に関し、上記の改正に伴う所要の改正を行う。
  • 政府は、施行後5年を目途として、この法律による改正後の国民年金法等の規定に基づく規制の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づき必要な措置を講じるものとする。
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