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年金照合にマッチしそうな校正業の方の技術

5000万件のオンライン上の年金記録において最も特定が困難とされているのは、社保庁職員や学生アルバイトなどが年金記録をオンライン入力する際に誤読・誤入力してしまった年金記録です。このような年金記録については、いずれは残存する書類についてオンライン上の年金記録と突合せを行なうことが考えられますが、それは何年掛かるかわからない話です。

可能ならば誤って入力したオンライン上の年金記録を持ち主の元へもどす作業が先決・・・そこで、年金照合にマッチしそうな専門家、「校正」の方の力を借りるということも一つの手段となりうるのではないでしょうか。(朝日新聞2007年12月12日17面「私の視点」での校正業の方の話から)

バラつきがある社会保険事務所での年金照会

私たちが社会保険事務所で自分の年金記録が正しいかどうかを調べる時には、一般的な流れとして、まず基礎年金番号や持っているその他の年金番号を打ち込んで年金記録を出力してもらいます。

そして、「氏名」「生年月日」「性別」で打ち込んでもらい、出てきた年金記録と自分の記録・記憶を照らし合わせて年金記録を確定させます。

さらに、自分の記憶よりも出力された年金記録が少ない時には、名前の条件を変えたり性別を変えて入力してみたりすることになりますが、そこの部分(以降「検索能力」と言うことにします。)は担当者によってバラつきがあります。

ある窓口担当者はこちらが言ったパターンだけでしか検索してくれない・・・ある窓口担当者は少し調べただけで「もう無いと思います」と白旗・・・

逆に、検索のうまい窓口担当者になると、こちらでお願いした検索パターンだけではなく「これもやってみましょう」「これではどうでしょう」というように、時間を掛けて嫌な顔をせずに丁寧に検索してくれます。

検索能力のスキルの問題だけではなく、取組む姿勢によってもバラつきがあります。

校正の方による年金照合作業の相性と可能性

朝日新聞2007年12月12日17面「私の視点」での校正業の方の言葉を引用します。

『我々校正業者は、あるデータ(ここでは元となる紙台帳の記録)を別のデータ(コンピュータの記録)に移す際に生じる誤りを防ぐための照合、すなわち「校正」を専門に行なっている。校正が専門職として成立してきたことは、データの正確な移植が生やさしくないことの証明とも言える。

人間は一定程度、文字を誤読・誤入力してしまうものである。だが、データの種類や移植方法などによりどういう誤りが生じやすいか、どう照合すれば性格に復元されるかを校正者は知っている。

年金記録で言えば、手書きの記帳の際の誤記や転記ミス、さらにデジタル処理段階でのデータ入力ミスが頻発しているものと思われる。例えば、仮に「中島忍:なかじましのぶ」という人がコンピュータに記録されているのに住所、勤務地などからたどっても該当者が不明だったとする。

通常、校正者は、まず名字の読みが、濁らない「なかしま」なのではないかと考える。さらに中嶋、中嶌、仲嶋、仲嶌を類推し、それでもいなければ名前を疑ってみる。

「しのぶ」と読むのが正しいとして、他に考えられるのは偲、志信、信夫などである。これらを先ほどの別パターンの名字とかけあわせてもヒットするものがなければ、今度は信夫を「のぶお」と入力すべきところを「しのぶ」と打ち込み、さらに忍と変換ミスした可能性はないか・・・と、ここまでを熟練した校正者なら数分で考える。』(以上引用終わり)

年金照合作業に特化すれば年金知識は必要ないですし、校正の方のスキルが年金照合作業とマッチすることは間違いなさそうです。オンライン上の照合、台帳照合ともに、校正の方の専門家としてのスキル、マンパワーが加われば・・・百人力だと思うのですが。

進まない不明年金の台帳照合

2007年12月現在、年金記録の原本「紙台帳」は約8億5,000万件あると言われています。宙に浮いたオンライン上の年金記録5,000万件を正しいものにするために、政府はこの紙台帳との照合を2年間で終わらすとしています。

しかし、2007年12月14日の読売新聞によれば、当該紙台帳の照合作業は来年度については「特殊台帳(年度の途中で未納がある人の年金記録等)」3,300万件分だけしか作業経費を計上していないことが明らかになりました。

この特殊台帳の照合作業だけでも予算規模が数十億円台(厚生省幹部)とされているということですが、独立行政法人が多額の無駄使いをしていることに比べれば、それこそ真に迫った国民のための必要経費だと言えますし、年金受給者が高齢化していることを考えると、校正業の方、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー、その他年金問題の解決のために民間の力も借り、一刻も早く総力戦、国家プロジェクトとしてで取組む必要があると思います。

独立行政法人のムダ使いの一例

【日刊ゲンダイ:2007年12月15日2面「独立行政法人にも巨額埋蔵金118兆円あった!」から引用】

『資産額4位の「雇用・能力開発機構」は赤字垂れ流しのハコモノ、「スパウザ小田原」を持っていたことで有名だ。これは総工費455億円。平成10年に開業したが、赤字続きで15年10月に小田原市へ売却した。売値はたった8億円だ。

しかし、懲りない機構は同年3月に「私のしごと館」を開業。東京・豊洲の「キッザニア」のように子供が職業体験できる施設だが、総工費はナント、580億円である。もちろん、赤字は毎年数億円。つくづくムダだ。なんで、こんなデタラメがまかり通るのかというと、天下り役人がきっちり、幅を利かせているからだ。』(引用終わり)

利権に繋がるプロジェクトは許せても、利権にならない国民のために使うお金は躊躇する。現状ではそのように思えてなりません。

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