今は社会保険庁のホームページにある「年金個人情報提供サービス」を利用することで、自宅に居ながら自分の年金記録を確認することができます。(すでに老齢年金を受給している方等は利用できません。)ただ、実際に利用してみるとなかなかスムーズに先に進めないこともありまして・・・
年金個人情報提供サービスのログインまでの右往左往
年金個人情報提供サービス、すなわちインターネットの年金記録照会ですが、利用する大前提として事前に個人の情報を登録し、自分だけのページを見るための「ユーザID」「パスワード」を取得しなければなりません。
「ユーザID」・・・お客様専用番号や、お客様識別記号など分かりやすい名称であればわかりやすくて親切なのに・・・という不満を持ちつつも、パソコン上で必要事項を入力し、社会保険庁からユーザID,パスワードが届くのを待ちます。
そして2~3週間後。
ユーザID、パスワードが書かれた封筒が届きます。
ユーザID・パスワードの文字に不満
届いたユーザIDとパスワードを見てみると、英語の大文字と小文字と数字、そしてパスワードの方にはびっくりマーク「!」も使われていました。(例えばこのような感じです・・・「Rhs4WLn!1」)
このサービスの利用者の中にはパソコンが苦手な方もいるでしょう。そんな人がびっくりマークを入力できるでしょうか?大文字小文字を交えた入力も大変です。
お客様パスワード??
郵送されるユーザIDとパスワードを入力してログインすればいいと思っていたところ、パソコン画面の入力の欄には「お客様パスワード」を入力する欄もありました。
「お客様パスワード?」とすぐには思い出せなかったため、「ユーザID・パスワードを忘れてしまった方はこちらをご覧下さい。」というリンクをクリック。
すると、「”ユーザID”、”パスワード”、“お客様設定パスワード”が分からなくなった場合は、改めてご利用登録をしていただくようお願いします。」というメッセージが・・・
つまり最初からやり直しです。
なぜ3つも入力する必要があるのか?と思いつつも、再度やり直せばまた時間が掛かってしまうため、何とか申し込みをしたときのメモを見つけ出すことに。そして「お客様設定パスワード」も用意でき、入力準備が整いました。
文字が見えなくなる入力方法に不満
ログインをする画面のパスワードの入力については、打ち込んだ文字が黒丸のマーク(●)で見えない仕組みになっていたのです。これは、周りに人がいても打ち込んだ文字がわからないようにするためのものだと思うのですが、これが非常にやっかいなのです。
というのも、仮に「Rhs4WLn!1」と入力することについて、見えていても正しく入力することが困難なのに、入力結果が黒丸のマーク(●)であるために、なかなか正しく入力できないのです。
しかも、黒丸のマークが付くのは、社会保険庁が発行したパスワードと「お客様設定パスワード」の2つなので、実際にエラーの連続のため、何度もやり直すことになってしまいました。
結局はメモ帳でパスワードの文字を打ち込んで、それをコピーペーストして貼り付けるという遠回りな方法でうまくいきましたが、こんな所で足踏みすることになるとは思ってもいませんでした。
国民年金加入記録の月別納付状況がわかりにくい
ログインが完了し、国民年金の加入記録をみてみると、思いもしない「年金未加入期間」がありました。もちろんまったく心当たりはありません。
そこで、よくよく見てみますと、国民年金の月別納付状況の表における欠陥が見えてきました。
それは、縦軸が「年度」、横軸が「月」の表記ながらもそれぞれの年度は「平成15年度」や「平成16年度」というような書き方ではなく「平成15年」や「平成16年」というような書き方であるために、横軸の「月」が年度での月ではなく「年」の月であると見えてしまうのです。
よって、例えば表でいう「平成15年」の1月、2月、3月については表の読み方では平成15年度の1月2月3月であって、年で言えば平成16年の1月2月3月になるわけです。
仮に平成10年の3月3日が20歳の誕生日の人であるならば、この表では「平成9年」3月のところから「納付済」と記されるわけです。すべての年度に「~年度」と表示するか、または表の各枠内に年か年月を表記するかをしてもらえないと、同じように誤解してしまう人が出てくると思います。
それともう一つ。
年金個人情報提供サービスでは、国民年金と厚生年金を別々のページで調べるようになっています。そのためなのか、まるまる1年厚生年金に加入した年度は、先ほどの国民年金加入記録の月別納付状況の表からはその年度分は完全に除かれてしまうのです。
一方で、年度の途中で会社に入社または退社した年度については、厚生年金の加入期間に当たる部分は国民年金に未加入であることを意味するスラッシュ「/」のマークが記されているのです。
例えば平成10年10月から平成15年9月まで厚生年金に加入して、その他は国民年金であった場合には、平成10年度については10月から3月までスラッシュ「/」が付き、平成11年度から平成14年度までは表から除かれて何も記載なし。そして平成15年度の4月から9月まで/マークが付いて、その後は「納付済」マークが付くという形になるわけです。
この場合平成11年度から平成14年度までは厚生年金の方に記録が記載されているわけですが、分かりにくいことこの上ない・・・という印象です。平成11年度から平成14年度までも全部スラッシュ「/」付きで記載してあれば、一目でわかるのですが・・・省略がかえってわかりにくくしている格好です。
年齢も書いてあれば親切なのですが・・・
国民年金の加入記録をチェックする際に、年度だけではなく、その当時何歳何ヶ月かということがあればチェックに役立ちます。表のそれぞれの枠内に何歳何ヶ月と表記するなどしてもらえれば親切だと思います。
西暦も表記してあれば・・・
同じく、この表には元号の年度しか表示してありませんので、西暦があればより分かりやすくなると思います。
厚生年金の標準報酬月額・標準賞与額がわかる
良い点は厚生年金の標準報酬月額・標準賞与額がわかることです。給与やボーナスの水準が正しいかどうかを知ることができるのは大きなメリットです。
会社によっては本来標準報酬月額が50万円であるにも関わらず標準報酬月額9万8千円の最低ランクで届出をするなどして保険料を不正に浮かしているようなケースもありますので、この年金個人情報提供サービスを利用して定期的にチェックしておくのが得策です。
今後、このサービスがより使いやすいものになることを期待しています。