高い利率が魅力の外貨建て個人年金保険ですが、
利率の他に気にしなければならないのが為替のリスクです。
円高になると・・・これから個人年金保険に加入する人にはうれしい材料ですが、個人年金の年金受給中の人にとってはうれしくない話になってくるのです。(ここでは「ドル建て」で話を進めます。)
円高と円安
1ドル100円だったものが、1ドル120円になる。 100円が120円になってどうして円安??
それは、円高か円安かという表現は、他国の通貨から見た場合に円が高いか安いかという話だからです。
例えばアメリカ人が日本旅行をするためにドルを円に交換するとします。ある日1ドル100円だったものが別の日には1ドル50円になったとすると、100円を得るのに1ドルでは足りずに2ドル掛かることになります・・・円が高くなった・・・円高です。
そして、円への交換をもう少し待ったところ1ドル50円だったものが1ドル100円に戻ったとします。それまで100円と交換するのに2ドル出さなければならなかったところ、今度は1ドルで済む・・・円が安くなった・・・円安です。
外貨建て個人年金保険と為替リスク
外貨建ての個人年金保険は、名前の通り外国の通貨でお金を運用します。例えば保険料一括支払い型個人年金保険の場合、加入時点(保険料を一括で支払った時点)において1ドル100円だったモノが、受給期間を平均して1ドル200円になったとすれば、「円」で言えば予定していた受け取り金額の2倍の年金を受け取ることができます。
逆に、加入した時点(保険料を一括で支払った時点)で1ドル100円だったものが、年金受け取り期間を平均して1ドル50円となった場合には、「円」で言えば予定していた受け取り金額の半分の年金しか受け取ることができなくなってしまいます。
為替相場(円高や円安の動き)によって、受け取り金額が予定していた金額よりも多くなる(円安が進む時)こともあれば、元本割れになってしまう(円高が進む時)こともある・・・ということも、外貨建て個人年金保険の特徴です。
外貨建て個人年金保険の計算例
例えば60歳に退職金で一時払い保険料1千万円(1ドル100円で100,000ドル)を支払い、65歳から10年間毎年13,000ドルを年金で受け取れる個人年金保険(受取総額130,000ドル)に加入したとします。
【年金受け取り期間平均1ドル200円になったら】
1ドル100円で受取総額が130,000ドル(=1,300万円)なので、
1ドル200円では受取総額130,000ドル(=2,600万円)になります。
【年金受け取り期間平均1ドル50円になったら】
1ドル100円で受取総額が130,000ドル(=1,300万円)なので、
1ドル50円では受取総額130,000ドル(=650万円)になります。
※2008年3月現在、1ドルに対する円が100円を割るような円高の展開となっておりますが、ドル以外の通貨に対しては軒並み円安となっています。